Q.中古物件の場合に、前所有者が置いていった物を勝手に撤去してもいいのでしょうか?

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2025年02月14日

Q.中古物件の場合に、前所有者が置いていった物を勝手に撤去してもいいのでしょうか?

残置物
不動産売却を頼まれた時に、片付けで揉めてしまったお話です。この物件にはまだ入居中の方がいて、退去を目前に控えていました。そのため片づけをされていたのですが、入居者が持ち込んでいない物があり、それを置いていきたいという申出でした。残置物の撤去ができなければ、今後の売買の際に差し支えることは明白です。このような場合、どうしたらいいのでしょうか?
これは実際に遭遇した話で、どうにか解決しようと色々と調べましたので、お役に立つ情報だと思います。 次の順にお話を進めていきますね。
 
  1. 残置物とは?
  2. 残置物の撤去費用は誰が払う?
  3. 原状回復義務
  4. 残置物の所有権 

残置物とは?

残置物は、「ざんちぶつ」と読みます。賃貸物件において前の入居者が撤去せずに残していった物品の事です。例えば、エアコン、洗濯機、冷蔵庫、電子レンジなど生活用品やその他残していった幅広い物品を対象としています。これらの物品が使えるものであれば、まだ良いのですが、壊れていたりと使えないものを置きっぱなしにする悪質な方が時々いらっしゃいます。なんだか悲しくなってしまいます。

残置物の撤去費用は誰が払う?

残置物をどうするのかは、所有者の判断になってくると思われます。ただし、気を付けないと、所有者も思わぬ損をしてしまうかもしれません。原状回復義務と残置物の所有権について注意が必要です。その点を次にご説明いたします。

原状回復義務

まず基本的に賃貸借契約では、原状回復義務によって入居者が置いていった物は撤去してから退去しなければなりません。撤去費用はもちろん入居者の負担となります。そして、貸主の了承ない残置物は、以前の入居者が所有権を持っています。もし、貸主が処分・撤去した場合でも。費用負担は以前の入居者に請求できます。

残置物の所有権

ところが、残置物が所有者の持ち物となるケースがあります。
残置物を残していった以前の入居者と連絡が取れないまま、次の入居者に残置物を含めて貸してしまうと、残置物の所有権は貸主に移ってしまいます。残置物を引き取ると了承していなくても、貸主が引き受けたとみなされてしまいます。なぜそうなるのでしょうか?

貸主にとって必要なければ、処分して費用を請求するべきだと民法では解釈されています。残置物をそのままにしておいたことから、その残置物は不用品ではなかったと考えられるのです。実際には使えないガラクタであっても、請求や処分をしなかったばかりに、所有者は不要な物を受け取ったと判断されてしまうのですね。

冒頭にお話したケースは正に同じ状況でした!
よくお聴きすると、どうやら今の入居者の前に借りていた方が、夜逃げ同然に退去されていたようです。先代の所有者しか詳しいことは知らないようでしたが、残置物を残したまま出ていかれ、その後現入居者が使っていた物件だったようです。ということは、残置物は貸主に所有権が移転していると考えられます。おそらく借主の主張に従って対応したほうが良いケースと判断しました。 

それからどうなった?

貸主に残置物の所有権が移ったと考えつつ、費用面を抑えられないか借主と相談しました。
幸いに金属類が多く残っていたため、産業廃棄物業者と打ち合わせて金属買取と不用品処分を相殺していただくことにしました。その結果、みごとに0円引取していただき、残置物がきれいに片付きました。ひとえに関係のおかげです。ご協力いただきまして、大変感謝しております。

このように、何か手立てがないだろうかと真摯に、そして、丁寧にご対応しております。
何かあった時に思い出していただける不動産屋でありたいと。心から思っております。 
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