古家解体および造成による土地売却プラン

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2025年04月24日

古家解体および造成による土地売却プラン

売却事例No.8

天草市本渡町広瀬 古家付き土地

古家解体前
古家解体および造成工事後

この物件の問題点

今回は、開業当初からご相談いただき、2年以上の時間を費やした事例です。
写真をご覧いただく通り、当初は古家が建っていました。古家はまだ使える物件でしたが、道路沿いに建っていたため、駐車場がありませんでした。現所有者が相続した物件だったのですが、前所有者は車を持たずに生活していたため、特に不便はなかったのだそうです。しかも敷地面積が90坪以上あり、敷地内には借家を保有していたそうです。借家は借主とのトラブルがあり、前所有者が解体しており、道路と面していない方角に大きなスペースがある物件でした。

問題点の解決策

当初は、相続税のご負担もあったことを考慮して、なるべく費用を掛けずに売却したいとの意向を尊重して、現状有姿で取引する買主を探していました。
場所は、天草市内でも利便性が高く、小中学校まで1~2Kmに位置しているため、人気の高いエリアです。川沿いのため、やや災害等の心配をする方もいらっしゃいますが、旧本渡市は海の近くであり、災害等の心配を言い始めると、心配は尽きない地域です。実際にはそれほど大きな風水害は起こっていないため、十分に売却可能なエリアです。
それだけ人気エリアなのに、お問い合わせに繋がらない要因は、やはり駐車場の問題が大きく影響していました。
現状有姿であれば、車を保有することが難しくなります。近隣の駐車場や空き地を借りることは可能ですが、借地代としてランニングコストが月4~5千円掛かることになります。それでしたら家を建てずにアパート等の借家で構わないという結論になってしまいます。他にも売地情報はあるため、他の土地を探すことになっていきます。

この問題を解決するためには、売却価格の値下げか、古家解体および造成が必要です。 

問題解決の経緯

売出開始から1年間は、価格を少しずつ見直しながら様子を見ていました。
そうしているうちに、建設業者から古家解体および造成していただけたら、土地を買い取りたいとの意向がありました。ただし、買取価格をそれほど大きくできないため、慎重な交渉を求められます。

まず、買取の話は保留にして、一旦、解体造成についてご提案します。

1年以上動きがない土地のため、所有者としても仕方がないと考えて、解体造成に賛同いただきます。同時に、土地の境界線が不明瞭なこともあり、このタイミングで境界確定測量のご提案を行いました。

 境界確定測量とは、土地の正確な境界線を明確にするために行う測量のことです。隣接地の所有者と立ち会いのもとで境界を確認し、合意に基づいて境界標を設置します。主に土地の売買や建築、相続などの際に必要となり、トラブル防止に役立ちます。測量結果は図面として記録され、公的にも証明される重要な資料となります。

造成の際に、擁壁を設置することにより、境界線がより不明瞭になる可能性があり、造成前に境界確定測量を実施したほうが良いと考えてご提案し、所有者も同意していただきます。境界確定測量では、隣接地の所有者との立会いや説明が欠かせません。土地家屋調査士と連携して、説明および立会いを隣接者に行い、とてもスムーズに思われました。ところが、境界確定測量と同時遂行していた解体造成でクレームが入ってしまいます。

新たな問題が…

クレーム内容は、次の通りです。

1.擁壁がやや越境している(擁壁が境界線上に真っすぐではなく、やや凹凸がある)
2.擁壁から隣接地に雨水等が流れて来る
3.上記により隣接地の土壌が削られて、流れ出してしまう。

このクレームに対して、連携力で対応します。

造成した建設業者と土地家屋調査士と私とで隣接者との立会い確認を行いました。
最初のクレーム時点では、怒鳴りつけてくるほどお怒りでしたが、時間を置き、携わった人皆から説明したことで、気持ちを落ち着けていただきました。ある程度、ご要望にお応えいただいたことで、納得していただきました。

なんとか計画は持ち直し、造成工事は完了しました。 

売却価格の見直し

造成工事が終わると、いよいよ販売活動です。
結局、建設業者の買取の話は、価格とクレームにより断念されました。そこで、一般向けに住宅新築用地として売り出すことにしました。 造成後の売却価格について、やや高めに設定されたため 、なかなかお問い合わせに繋がらない日々が続きます。解体と造成で費用が掛かったため、どうしても坪15万円から下げることが考えられませんでした。所有者の想いを大切にしてご対応していましたが、半年経過してもお問い合わせに恵まれませんでした。そこで、いよいよ価格交渉を所有者に行います。

先行事例やネット集客での閲覧データを根拠に坪単価を見直しました。

天草で土地探しをしている人が閲覧している物件は、面積50~70坪で、価格1000万円未満のことが殆どです。
昨今では、物価高による資材高騰の影響により建築資材が高騰しており、より土地値を安く済むところをお探しの傾向が見えてきています。弊社へのお問い合わせの傾向も従来人気のあった本渡北地区からシフトする層の方が見受けられます。今、お探しの方は、旧本渡市郊外となる佐伊津町や楠浦町などを求めることも増えてきました。

もちろん、急いで売却する必要がなければ、高価格のまま様子を見る戦略も有りですが、今回の場合、所有者がご高齢であったこともあり、なるべく早めに売却したい意向もございました。

その結果、坪11万円、売却価格を1050万円に見直しました。 

データ分析によるご提案と所有者の想い

売却価格の見直しから1ヶ月で3件お問い合わせがあり、その中の一人が買い付けを申し込まれました。
やや指値があり、売却価格1030万円で折り合い、そのまま契約、取引とスムーズに進みました。

不動産取引では、販売戦略通りに所有者がご対応いただけない場合が多いです。先行投資として費用が掛かるため、決断に時間が掛かってしまいます。それは仕方がないことです。そんな場合、現状有姿で販売してみると、ポータルサイトやホームページで閲覧状況データを取得できます。データ分析により必要であれば、先行投資や価格見直し等のご提案をしていきます。

なかなかお問い合わせに繋がらない物件については、時間を掛けてご提案し、交渉を行います。
もしご提案を受け入れていただけない場合も、条件をそのままで、真摯な姿勢で売り続けていきます。
そうやってデータ活用と同時に、所有者の想いを大切にする姿勢を決して忘れないようにと考えております。その姿勢が、売主様にとって納得のいく取引を作り出していくだろうと考えて、その姿勢をこれからも崩さずにしたいと思っております。  
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